受験を控えている中学3年生や保護者のなかには、三者面談で学校の先生から「志望校は厳しい」「志望校を変えたほうが良い」などとボロクソに言われてしまい、不安になった方もいるでしょう。
そこでこの記事では、三者面談で学校が厳しいことを言う理由、ボロクソに言われても志望校を諦めたり、ランクをギリギリまで下げなくていい理由、そして三者面談で保護者がやってはいけないことについて詳しくご紹介します。
三者面談でなぜ学校は厳しいことを言ってくるのか
中学校の三者面談は、生徒・保護者・学校の先生が意見を交換できる貴重な機会です。
しかし、特に受験を控えた中学3年生の三者面談では、先生から「志望校を変えたほうが良い」など厳しいことを言われることがあります。
なぜ学校は厳しいことを言ってくるのか、その理由について解説します。
学校の事情
三者面談で厳しいことを言われるのは、めずらしいことではありません。
学校の先生は毎日生徒と接しており、生活面でも学習面でも、その子にとってより良い選択肢を与えてあげたいと考えているためです。
特に学習面、進学に関しては厳しいことを伝えることが多い傾向にあります。
それは、学校としてはすべての生徒が高校に合格してほしい、不合格を1人も出すことなく進学してほしいと考えているためです。
学校では「志望校への合格」よりも「安全な進学」に重きが置かれるため、面談を行う時点で実力や内申点が足りないと判断した場合、生徒と保護者に厳しいことを伝えます。
三者面談で学校に厳しいことを言われても諦めなくていい理由
学校側の事情がわかっていても、「志望校が厳しい」と言われるとショックを受ける方も多いのではないでしょうか。
しかし、学校に「志望校が厳しい」と言われたとしても諦める必要はありません。
ここからは、その理由について解説します。
現状の成績で判断している
三者面談では、志望校への合格見込みについて現状の成績で判断していることが多く、受験までの伸びを考慮していないこともあるため、志望校を諦める必要はありません。
もし夏休みを前にした三者面談であれば、受験までまだ十分に時間があります。
また、受験直前になってさらに勉強へのモチベーションが上がり、大きく実力を伸ばすことも可能です。
データ量が少ない中での判断
学校は、塾などと比べると受験に関してデータ量が少ないです。
模試などの時期や結果、生徒の人数や実績などのデータが学校内のものと限られている中で判断しています。
少ないデータの中で判断されているということから、三者面談で言われた内容を必ずしも鵜呑みにする必要はありません。
塾などでのデータをあわせて確認し、総合的に判断すれば合格の可能性があるということも十分考えられます。
第三者に相談を
もちろん、学校の先生は生徒を一番近くで観察していますので、先生の言うことのほうが客観的で正しいという場合も往々にしてあります。
「志望校は厳しい」と言われた場合、「なぜ厳しいのか」「挽回の方法はあるのか」などを中心に先生の考えを正確に把握しておきましょう。そして、必要に応じて三者面談の結果を塾や家庭教師センターの教務担当に伝え、第三者の意見を聞いておくことも大切です。
志望校のランクをギリギリまで下げるべきではない理由
続いて、三者面談で「今の志望校は厳しい」「志望校のランクを下げたほうが良い」などと言われた場合でも、志望校のランクをギリギリまで下げるべきではない理由についてご紹介します。
内申点や入試の仕組みなどを知っておくことで、志望校合格に近づくため、しっかりチェックしておきましょう。
内申点は確定するまであげられる
高校受験の一般入試の場合、内申点が確定する時期は1月から始まる出願に備え、11月後半から12月の終業式までが一般的です。
そのため、内申点が確定するまでは内申点を上げる努力ができます。
内申点はテストの点数だけでなく授業態度や提出物などを含めて総合的に判断されるため、日ごろの努力が大切です。
内申点をできるだけ上げておくことで、志望校に合格する可能性もより高くなるため、三者面談の段階で志望校のランクを下げる必要はありません。
こんな場合はすぐに再考を!
ただし、私立高校の推薦入試など、内申点でほぼ合否が決定するような入試形態の場合は、11月以降の三者面談で学校に志望校の再考を促されると、それはほぼ合格の可能性がないことを意味します。
内申点がその高校の基準を超えていないと出願さえできない場合もありますので、すぐに志望校の再考を行いましょう。
また、南関東を中心とした私立高校では「併願優遇」と呼ばれる入試を実施しています。この入試形態も内申点が基準を超えていない場合は出願さえできないのが普通です。「厳しい」と言われた場合はすぐに再考する必要があります。
内申点確定後は入試で点数を取る勉強ができる
内申点が確定したあとでも、入試当日のテストで1点でも多く点数を取ることができるように勉強することで、志望校への合格率を上げられます。
先述のとおり、三者面談ではその時点での成績をもとに志望校への合格見込みを判断しています。
そのため、それだけを鵜呑みにせず「入試直前まで実力を上げることができる」ということを覚えておきましょう。
三者面談で保護者がやってはいけないこと
最後に、三者面談で保護者がやってはいけないことについてご紹介します。
学校の先生から志望校について厳しいことを伝えられると、保護者としても不安や焦りを感じてしまうでしょう。
しかし、親の不安や焦りが子どもにどのような影響を与えてしまうかを理解することが大切です。
子どもを怒ってしまう
まず、担任の先生と一緒になって子どもを怒ることはやめましょう。
中学生はまだ関わる大人が少なく、先生と親の双方から怒られることで、「誰も自分の味方はいないんだ」と落ち込んでしまうためです。
たとえ先生から厳しいことを言われた場合でも、家での頑張りや見えてきた良い変化を伝えてみてください。
そうすることで、子どもが「親はちゃんと自分のことを見てくれている」と感じ、自信をつけられるでしょう。
ネガティブな発言
三者面談では、「このままでうちの子は大丈夫でしょうか?」「出来が悪くて困っています」といったネガティブな発言も避けましょう。
親のネガティブな発言を聞くことで、子どもは「大丈夫じゃないと思っているんだ」「出来が悪いと思っているんだ」と傷つき、自信を無くしてしまいます。
「いつも一生懸命努力しているため、受験勉強もこのまま頑張ってほしい」といったポジティブで、子どものモチベーションが上がるような発言がおすすめです。
まとめ
今回の記事では、三者面談で学校が厳しいことを言う理由、ボロクソに言われても志望校を諦めたり、ランクをギリギリまで下げなくていい理由、さらに三者面談で保護者がやってはいけないことについて解説しました。
三者面談で厳しいことを言われると、子どもも親も不安になってしまいますが、入試直前まで実力を伸ばすことで、志望校合格へ大きく近づくことができます。
三者面談で伝えられることは、あくまで学校側の意見、現時点での判断であるということを頭に入れて面談に望んでみましょう。