高校選びに欠かせない学校見学。初めて志望校に行くのは楽しみでもある半面、少し緊張する、という方も多いことでしょう。せっかく見学に行くのですから、事前準備をしっかりして、意義ある見学にしたいものです。
そこで、今回は学校見学の際の服装や持ち物、チェックポイントなどをご紹介します。高校の先生方に良い印象を持たれるように、また、実りのある見学ができるように、ぜひ参考にしてください。
高校の学校見学時、服装は?
初めての学校見学では、「どんな服装がいいのか迷う!」という方が多いようです。地域や学校によっても雰囲気の違いがあるため、すでにその高校に通っている生徒の保護者に知り合いがいれば尋ねてみるのがおすすめです。ここでは、保護者と中学生、それぞれの一般的な注意点を確認しましょう。
母親の服装
母親の服装としては、清楚で落ち着いた印象のシンプルなワンピースや、ブラウスとスカート(またはパンツ)の組み合わせが無難です。色合いは、白や紺、ベージュ、淡いパステルカラーなどがよいでしょう。学校によってはカジュアルな服装の保護者も増えているようですが、学校への敬意を表す意味でもラフになりすぎないよう注意し、「きれい目カジュアル」を心がけましょう。露出の多い服や体のラインが強調される服はNGです。
父親の服装
もっとも改まった印象になるのはダークスーツですが、学校によってはあまり改まりすぎると浮いてしまう場合もあります。ポロシャツやボタンダウンシャツ+チノパン+ジャケットのような、「オフィスカジュアル」程度が無難かもしれません。襟のないTシャツは、たとえジャケットを羽織ったとしてもくだけた印象を与えることもあるので、避けたほうがよいでしょう。
子ども(受験生)の服装
高校見学の場合、子どもの服装は通っている中学校の制服が一般的です。靴下や靴も中学校指定のものがあればそれを着用し、指定品がなければ靴下はシンプルな形の白無地、靴は白のスニーカーや黒のローファーがおすすめです。夏服のときは下着が透けやすいので、下着も色柄物でなく白がよいでしょう。冬の防寒着が必要な場合は、中学校指定品か、派手な色柄でないものを選びましょう。
公立と私立での違い
一般的に、公立高校より私立高校のほうがフォーマル度が高い傾向があります。私立高校では学校見学の際に個別相談が行われることもあるため、その場合はそれにふさわしい「きちんと感」のある服装が望ましいでしょう。学校によってもかなり異なりますが、受験難易度の高い高校やミッション系の高校は「きちんと感」がより必要なことが多いようです。また、私立でも自由な校風の高校では、比較的カジュアルな傾向もあります。気になる場合は、先輩保護者や中学校の先生に尋ねてみるとよいでしょう。
高校の学校見学時、身だしなみの注意点
同じような服装でも、身だしなみの整え方で印象が大きく変わります。服装が決まったら、着こなし方や髪型などにも気を配りましょう。身だしなみの注意点を具体的にご紹介します。
母親の身だしなみ注意点
母親の身だしなみでは、「髪」「爪」「お化粧」「アクセサリー」に留意しましょう。髪は明るすぎる色や派手な髪形は避け、すっきりとまとめます。ネイルはしていても構いませんが、控えめで上品な色にし、目立つ柄は控えましょう。お化粧やアクセサリーも、あくまで清潔感を第一とします。ブランドが露骨にわかるようなアクセサリーやバッグもふさわしくないでしょう。学校見学での主役はあくまで子どもであることを忘れないことが大切です。
父親の身だしなみ注意点
父親の身だしなみも、清潔感と品の良さが大切です。髪色や髪型も悪目立ちしないように留意し、時計と結婚指輪以外のアクセサリーも控えましょう。時計も、シンプルで落ち着いたデザインのものがよいでしょう。また、最近はマスクのため顔があまり見えないとはいえ、無精ひげはきれいに剃っておきましょう。
子ども(受験生)の身だしなみ注意点
子どもの身だしなみはどのような点に気をつければよいでしょうか。男子・女子それぞれのチェックポイントを見ていきましょう。
男子
中学校の校則に従って制服を着用し、清潔感に気を配っていれば大丈夫です。具体的には、髪が長すぎたりボサボサになったりしていないか、爪は切ってあるか、制服や靴下にシミや汚れがなくきれいな状態か、などに気をつけましょう。また、制服の着こなし方も大切です。ボタンやホックはすべて留め、学ランの場合はカラーをきちんとつけます。シャツの裾はズボンの中にきちんと入れましょう。
女子
女子の身だしなみのチェックポイントも基本的には男子と同じですが、髪が長い場合は結んだりピンで留めたりして、スッキリと見えるようにしましょう。その際のヘアゴムやピンは黒のシンプルなものがおすすめです。また、スカートにプリーツが入っている場合には折り目がきちんとついているかを確かめましょう。スカート丈も短くなりすぎないように、ひざ丈程度を目安にするとよいでしょう。
高校学校見学時の持ち物
服装・身だしなみが整ったら、次は持ち物をチェックしましょう。学校見学の1日のスケジュールを確認し、その時々に何が必要かをイメージしながら準備すると漏れがありません。ここでは、一般的な持ち物をご紹介します。
カバン
見学するだけだからと手ぶらで行くのは、真剣さに欠ける感じで印象が良くありません。以下に紹介する持ち物もありますし、また、学校見学では資料が配付されることが多いので、一般的なパンフレットがゆったり入る大きさのカバンを持っていきましょう。子どもは中学校の指定カバンがあればそれでOKですが、保護者も資料が入るサイズのカバンを準備しましょう。
スリッパ(保護者)
中には土足OKの高校もありますが、多くの場合はスリッパが必要です。持ち物として指示がある場合はもちろん、事前の指示がない場合も念のため持参しましょう。忘れた場合、高校側が簡易スリッパを準備してくれることもありますが、持参していないのはあまり印象の良いものではありません。
上履き(子ども)
子どもももちろん上履きを準備します。ふだん中学校で履いているものがあればそれで構いませんが、きれいに洗うなどして、不潔感がないようにしておきましょう。別に用意するなら、シンプルな形の派手でないものを選びましょう。
メモ帳、ノート
学校見学では、確認したいことを事前にメモしていくことがおすすめです。メモしたメモ帳やノートを持参しましょう。見学中には、見学してわかったこと、聞いた話の内容などもメモします。話を聞きながらメモする態度は、熱心で良い印象を与えるでしょう。
筆記用具
メモを取るためには、当然筆記用具が必要です。また、見学後にアンケート記入を求められることもあります。高校側がペンを貸してくれることもありますが、頼らなくてもすむようにしっかり準備しておきましょう。子どもは中学校で使っている筆箱を持参すればOKです。保護者は最低でも黒ボールペン1本は持参しましょう。
ハンカチ、ティッシュ
意外と忘れがちですが、ハンカチとポケットティッシュは必ず持参しましょう。トイレに行った後に手を拭くハンカチがない、飲み物をこぼしたのに拭き取るティッシュがない、などといったことは避けたいものです。エチケットとして準備しておきましょう。
通知表、模試の結果のコピー
地域にもよりますが、たとえば南関東圏の私立高校では、学校見学の際に個別相談会が実施されることがあります。この相談会は受験の合否にも影響すると言われる大切なもので、中学校の通知表や模擬試験の結果のコピーが必要となることがあります。クリアファイルに入れて持参しておきましょう。特に埼玉県の私立高校では「北辰テスト」の成績を持参することが必須とされています。
学校見学でチェックしたいポイント
最後に、学校見学の際にチェックしておきたいポイントをご紹介します。せっかく時間を取って行く学校見学ですから、入学後の様子をイメージしながら重要ポイントをしっかりチェックしましょう。
教員の様子
学校ごとに校風があり、教員の雰囲気も、厳格な感じ、親しみやすい感じ、くだけた感じなど様々です。入学後毎日指導を受ける先生との関係は特に大切な点ですので、お子さんに合うタイプかどうかを確認しておきましょう。教員と高校生がどんな接し方をしているかも参考になります。また、授業見学がある場合は、教え方のわかりやすさや授業の雰囲気も確認しましょう。
生徒の様子
高校生の様子は、入学後の学校生活をイメージするのに非常に役立ちます。「落ち着いている」「明るく元気」など全体の雰囲気、来校者に対する挨拶や服装の様子、授業の中での発言や活動の様子などから、学校の実態を垣間見ることができます。また、もし直接高校生と話す機会があれば、学校生活で気になる点を積極的に質問すると、よりリアルな声が聞けて参考になるでしょう。
校舎の設備
校舎が新しくきれいであれば魅力的ですが、古くても「清掃や手入れが行き届いているかどうか」のほうが学校の雰囲気を見るポイントとして重要です。特にトイレの清潔感は参考になるでしょう。また、たとえば専門学科の実習設備や部活動の練習施設など、入学後に取り組みたいことに関わる施設が充実しているかどうかも確認しておきましょう。
まとめ
今回は、学校見学の際の服装や持ち物、チェックポイントをご紹介しました。
学校見学の服装や準備物はそれほど難しいことはありません。今回の記事を参考に、漏れのないよう早めに整えておきましょう。また、多くの場合、複数の高校の見学に行くことになりますが、同じチェック項目で各校を比較するとそれぞれの学校の特徴や強みがはっきりします。よりよい進路選択のために、学校見学の機会を十分に活かしてください。