中高一貫校に通うお子さんの英語力をどう伸ばすかは、多くの保護者にとって気になるポイントではないでしょうか。
特に、英検(実用英語技能検定)は、英語力を測る指標としてだけでなく、大学受験や将来のキャリアにも有利に働く資格です。高校受験がない中高一貫校では、計画的に英検対策を進めることが可能です。
さらに、英検の取得は大学受験や推薦入試で有利に働くため、早めに計画を立てて取り組むことが大切です。本記事では、中高一貫校生の英検取得のメリットや、学年ごとの目標級、効果的な活用法について詳しく解説します。
中高一貫校だからこそできる英検対策のメリット

中高一貫校の生徒は高校受験がないため、英語の学習に時間をかけやすい環境にあります。
特に英検は、大学受験や将来のキャリアにも直結するため、計画的に対策を進めることで大きなアドバンテージとなります。
ここでは、中高一貫校だからこそできる英検対策のメリットについて詳しく解説します。
高校受験がないからこそ英検に集中できる
一般的な中学生は、高校受験の対策に追われるため、英検の取得が後回しになりがちです。
しかし、中高一貫校生はその必要がなく、早い段階から英検の取得を目指すことが可能です。
また、英検対策は学校の授業と並行して進めやすいというメリットもあります。
英検の試験範囲は、学校の英語の授業内容と重なる部分が多いため、定期テストの勉強と英検対策を同時に進めることができるのです。
例えば、
・文法の学習→英検のライティング・リーディング対策に直結
・長文読解の練習→英検のリーディングセクションの対策として有効
・リスニング演習→学校のリスニングテストと英検対策を兼ねられる
このように、普段の授業を意識しながら英検対策を進めることで、無駄なく効率的に英語力を伸ばすことができるのが中高一貫校生の強みです。
英検を大学受験で最大限活用する

英検は大学受験において非常に大きな武器になります。特に、推薦入試や総合型選抜では、英検のスコアが直接評価されるケースが多く、早めの取得が有利です。ここでは、英検を大学受験で最大限活用する方法を紹介します。
英検取得が大学受験に与える影響
大学受験では、英検の級によって以下のような優遇措置が受けられます。
一般入試の英語試験免除(英検準1級以上)
→一部の大学では、英検準1級以上の取得で英語の試験が免除される制度を導入しています。
英検スコアによる得点換算(英検2級・準1級)
→例えば、早慶の一部学部では英検準1級の取得で英語試験が免除、MARCHでも加点対象の大学が増加。
総合型選抜・推薦入試での評価アップ(英検準1級以上が有利)
→英語能力を証明できる資格として、英検準1級以上を取得していると有利に働く場合があります。
志望校の入試要項を確認し、英検をどのように活用できるのかを事前にリサーチすることが重要です。
英検は理系・文系どちらの進路でも必要!その理由とは?
英語は、大学入試では理系・文系を問わず必要な科目であり、共通テストや個別試験でも高い配点を持つ重要科目のひとつです。
【理系の場合】
・英語の授業が必修になっている大学が多い
・研究論文や専門書が英語で書かれている
・TOEICやTOEFLとともに、英検準1級を取得していると推薦入試で評価される場合も
【文系の場合】
・英検準1級レベルの語彙力・ライティングスキルが有利
・経済・経営・国際系の学部では、英語でのプレゼンやレポート作成が求められる
・海外の文献やニュースを参考にする機会が多く、英検準1級レベルの読解力が必要
このように、英検の取得は大学受験だけでなく、入学後の学習や就職活動にも大きなメリットをもたらします。
中高一貫校の英検、いつ・何級を目指せばいい?

中高一貫校の6年間で、どの学年でどの級を目指せばよいのかを知ることで、効率的な学習計画を立てることができます。
英検の級が上がるほど、必要な語彙やスキルのレベルも高くなります。学年ごとに目標級を設定し、段階的に学習を進めることが、無理なく英語力を伸ばすポイントです。
英検取得のスケジュールと学習計画
英検は、段階的に目標を設定し、達成していくことで学習のモチベーションを維持しやすくなります。いつ・どの級を目指すのかを明確にし、計画的に取り組むことが大切です。
推奨される英検取得のスケジュール
- 中1~中2→英検3級・準2級を目標に、英語の基礎力をしっかり固める。
- 中3~高1→英検2級取得を目指し、読解力やライティング力を強化。
- 高2~高3→英検準1級を取得し、大学受験や将来のキャリアに活かす。
このように段階的に取り組むことで、無理なく英語力を向上させることができます。
それぞれの学年で適切な対策を行うことで、着実にステップアップしていきましょう。
英検の各級で求められる英語力については、英検公式サイトで確認できます。目標とする級の詳細を把握し、学習計画を立てる際に役立ててください。
英検公式サイト:https://www.eiken.or.jp/eiken/about/cando/
中1~中2は英検3級・準2級を目標に
中学1年生から2年生にかけては、英検3級および準2級の取得を目指すことが理想的です。
この段階では、英語の基礎をしっかりと固めることが最優先になります。
英検3級・準2級の特徴
英検3級は中学卒業程度、準2級は高校中級程度の英語力が求められます。
このレベルでは、基本的な文法や語彙を理解し、簡単な日常会話や文章の読解ができることが求められます。
対策として取り組むべきこと
- 基礎的な文法・語彙を固める
- 現在完了・不定詞・動名詞などの重要文法を理解する
- 英検頻出単語を少しずつ覚える(単語帳やアプリを活用)
- リスニング力を鍛える
- 英検ではリスニングの割合が高いため、NHKラジオ英会話や英語学習アプリを活用する
- 簡単な会話文から始め、徐々にスピードを速くしたり、複雑な文章を聞く練習をする
- 長文読解に慣れる
- 英検3級・準2級の読解問題は、比較的短めの文章だが、主旨を正しく把握する力が必要
- 過去問を活用し、実際の問題形式に慣れる
- 内容の要点をメモしながら読む練習を行う
この時期に英検に挑戦することで、基礎力を固めながら英語に慣れ、次の級へのステップアップがスムーズになります。
中3~高1は英検2級取得を目指す
中学3年生から高校1年生では、英検2級の取得を目指すことが理想的です。
英検2級は高校卒業レベルの英語力が求められるため、これまでの学習に加えて、さらに実践的なスキルを強化する必要があります。
英検2級の特徴
英検2級では、英語での意見表明が求められるようになり、ライティングやスピーキングの難易度が上がります。そのため、リーディング・リスニングに加え、英作文の練習を本格的に始めることが重要です。
対策として取り組むべきこと
- 英作文の練習を強化
- 英検2級では、ライティングの配点が高いため、論理的な文章を書く力が求められる
- 「序論→本論→結論」の構成を意識し、意見を書く練習を行う
- 英検の採点基準を理解し、語彙の多様性や文法の正確性にも気を配る
- リーディング力の強化
- 英検2級の長文は、語彙レベルが上がるとともに、文章の構造が複雑になる
- 精読と速読をバランスよく行い、読解スピードを向上させる
- 問題を解いた後に、文章の要点を要約することで理解力を深める
- リスニング対策としてニュース英語を取り入れる
- 英検2級のリスニング問題では、会話だけでなくニュースやナレーションも含まれる
- BBCやVOAのニュース英語を聞くなど、より実践的なリスニング練習を行う
英検2級を取得することで、大学受験に向けた英語力の土台が整い、準1級に向けたステップアップがスムーズになります。
高2~高3は英検準1級取得を目指す
高校2年生から3年生では、英検準1級の取得を目指します。
準1級は、大学入試や英語を活用する仕事に直結するレベルの英語力が必要とされ、語彙・読解・ライティング・スピーキングのすべてのスキルをバランスよく鍛える必要があります。
英検準1級の特徴
英検準1級では、より専門的な内容の長文読解や、社会問題に関するライティング・スピーキングが求められます。
そのため、アカデミックな英語に慣れることが必要です。
対策として取り組むべきこと
- 語彙を増やす
- 準1級では、難解な単語や熟語が多数登場
- 単語帳を活用し、毎日少しずつ覚える習慣をつける
- ニュース記事や学術論文を読むことで、実際の単語の使い方を学ぶ
- アカデミックな長文読解に慣れる
- 科学・社会・歴史・文化など幅広いテーマの文章が出題される
- これらの分野に関する記事を英語で読む習慣をつける
- スピーキング対策として、英語で意見を述べる練習をする
- 準1級の面接試験では、与えられたテーマに対して自分の意見を論理的に述べる必要がある
- ディスカッションやディベートの形式で練習を行い、スムーズに意見を伝えられるようにする
まとめ
英語は、文系・理系を問わず大学受験で必要な科目であり、英検の資格は入試での強力な武器になります。特に中高一貫校生は、高校受験がない分、早い段階から英検に取り組むことが可能です。
英検を計画的に活用することで、
・大学受験を有利に進められる
・高校生活の英語学習が効率的になる
・将来的なキャリアや海外進学にも役立つ
お子さんの英語力を伸ばすために、英検をぜひ上手に活用していきましょう!