仮定法とはいったい何なのか?どのように使っていいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は「仮定法とは何か」「仮定法を見分けるコツ」「仮定法の訳し方のポイント」についてご説明します。
仮定法の作り方や訳し方でつまずいている人も、この記事を読んで仮定法とは何かを理解すれば、上手に使いこなせるようになるでしょう。
英語の仮定法とは
英語の仮定法とは「もし~なら、……なのに」「もし~だったら、……だったのに」という、「仮定」を表す用法です。現実の事実に反する事柄を表す表現で、現在の事実に反する「仮定法過去」と、過去の事実に反する「仮定法過去完了」の2種類があります。
仮定法の作り方は次の通りです。
仮定法過去(現在の事実)
「If + 主語 + 動詞の過去形、主語 + would (could/should/mightでもよい) + 動詞の原形」
(もし~なら、……なのに。)
仮定法過去は、現在の事実に反することを表現するのに使います。「would/could/should/might」の使い分けは、結論から言うと、ニュアンスの違いがありますが、どれでも可能です。「should」は、最近ではあまり使われないので、それ以外の3つを覚えれば十分です。
それぞれのニュアンスの違いは次の通りです。
例文
If I had a lot of money, I would buy a castle. (もしお金がたくさんあれば、お城を買うんだけどな。)
If I had a lot of money, I could buy a castle. (もしお金がたくさんあれば、お城を買えるんだけどな。)
If I had a lot of money, I might buy a castle. (もしお金がたくさんあれば、お城を買うかもしれないんだけどな。)
ニュアンスの違いがありますが、どの文からも、お城を買いたいと思っても、実際にはお金がないので買えないということがわかります。しかし、今はお金がないからお城を買えなくても、もしかすると将来買えるようになる可能性はあります。
次の例を見てみましょう。
If I get a lot of money, I will buy a castle. (お金がたくさん手に入れば、お城を買います。)
現実可能な意思を表すには、上の文のようにいうことも可能ですが、その際には仮定法は使えません。現実になる可能性があれば、仮定法では意味が違ってしまいます。仮定法は、現実にはなり得そうにない事実、起こりそうにないこと、つまり、非現実的なことを表現するために使うと覚えましょう。
仮定法過去完了(過去の事実)
「If + 主語 + had + 動詞の過去分詞、主語 + would (またはcould/should/mightなど) + have + 動詞の過去分詞」
(もし~だったら、……だったのに。)
仮定法過去完了は、過去の事実に反することを表現するのに使います。
If I had had a lot of money, I could have bought a castle. (もしお金が十分にあったら、お城が買えたでしょうに。)
実際にはお金がなかったから、お城は買えなかった、ということがわかります。
ポイントのおさらい
・英語の仮定法は、現在の事実は「仮定法過去」、過去の事実は「仮定法過去完了」
・「仮定法過去」は「If + 主語 + 動詞の過去形、主語 + would/could + 動詞の原形」
・「仮定法過去完了」は「If + 主語 + had + 動詞の過去分詞、主語 + would/could + have + 動詞の過去分詞」
・仮定法は現実に反することにしか使えない
仮定法を見分けるコツ
仮定法を見分けるためには、普通の条件文と区別する必要があります。仮定法のif節の動詞は過去形を使います。助動詞やbe動詞を含むすべての動詞にこの法則が当てはまります。
また、主節はwould/couldなどと動詞の過去形を使います。たとえ現在や未来の状況についての説明でも、主節の過去形を見れば、現実とは異なる想像の世界だとわかるでしょう。
仮定法だと見分けるコツは、助動詞です。「if」だけでは十分ではありません。「If節」があり、主節に「would/could/might」などがあれば、ほぼ仮定法だと思って間違いありません。
If節の動詞の過去形だけ見てもわからなければ、助動詞を見て、過去形であれば仮定法であると推測できます。
仮定法のbe動詞
仮定法の作り方がもうわかるようになったら、特殊な例を見てみましょう。
こちらではbe動詞を使う仮定法についてご説明します。
例文
If I weren’t sick, I could go on the excursion today. [現在]
(病気じゃなければ、今日の遠足に行けるのに。)
今病気であるため、行くことができない、ということを訳しましょう。
例文
If I hadn’t been sick, I would have been able to on the excursion yesterday. [過去]
(病気じゃなかったら、昨日の遠足に行けたのに。)
昨日病気じゃなかったら、行けたのに、という状況を汲んで訳しましょう。
上記の2つの例は、残念に思う自分の気持ちと、遠足に行くことができない現実が相反するために、仮定法が使えます。
上の例文で「あれ?」と思った人がいるかもしれません。「I wasn’t」ではなく「I weren’t」となっています。普通英語のbe動詞の「I」の過去形は「I was」です。しかし、仮定法のbe動詞は人称に関わらず「were」を使います。人称や単数・複数に関わらず、「仮定法のbe動詞はwere」と覚えましょう。
ポイントのおさらい
・「If節」+「主節would/could/might」があれば仮定法
・仮定法のbe動詞は人称や単数・複数に関わらず「were」を使う
仮定法の訳し方のポイント
仮定法で過去形を使う理由は、現実との距離感を表すと考えると理解しやすいでしょう。いわば仮想の世界で「もしもこうだったらいいな」「もしこうなったらいいのに」と思う時に使うと考えると、状況に応じて訳すことができるでしょう。
仮定法の訳し方のポイントは、時制です。仮定法過去と仮定法過去完了の時制、それぞれ、現在と過去を起点として「もし~なら、…なのに。」「もし~だったら、…だったのに。」と訳します。
英語の仮定法は、日本語とほぼ同じニュアンスで訳すことができます。しかし、英語の表現と比べて、日本語の方が、翻訳の幅が広いですが、「もし~なら」という表現で、実際にあり得そうにないことを想像する表現を使うようにしましょう。
ポイントのおさらい
・仮定法過去の訳は「もし~なら、…なのに。」
・仮定法過去完了の訳は「もし~だったら、…だったのに。」
まとめ
今回は「仮定法とは何か」「仮定法を見分けるコツ」「仮定法の訳し方のポイント」についてご説明しました。
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