「内申点オール4」というと、「オール5」ほど抜群ではないけれど「オール3」よりは上ということで、どうも微妙な成績だと感じる人もいるようです。そんなに悪い成績ではないけれど、偏差値でいうとどれくらいなのか、どんな高校に行けるのかなどを、志望校選定にあたって知っておきたいという中学生や保護者も多いことでしょう。
そこでこの記事では、内申点オール4の偏差値や、高校の選び方の注意点についてお伝えします。
内申点オール4の偏差値はどれぐらい?
内申点オール4であれば校内では比較的上位かもしれませんが、高校選びの際には校内順位よりも主要5教科の偏差値のほうが参考になります。まず、その考え方を見ていきましょう。
9教科の合計評定
内申点がオール4であれば、9教科の合計評点は「4×9教科=36」です。
また、
「主要5教科が5・副教科4教科が3」であれば「(5×5教科)+(3×4教科)=37」、
「主要5教科が3・副教科4教科が5」であれば「(3×5教科)+(5×4教科)=35」などのように、
オール4でなくても、「9教科の評定の合計点だけ見ればオール4とほぼ同じ」ということになるパターンもあります。
オール4の偏差値
では、オール4の場合の偏差値はどれくらいでしょうか。
ここで注意すべきことは、一般的に高校入試で学力試験を課されるのが主要5教科であることです。
もし、主要5教科がオール4であれば、偏差値はおよそ「55」です。
しかし、上で紹介したパターンのように、
「主要5教科が5、残りの4教科が3」であれば、5教科はオール5なので偏差値は少なくとも「60」以上、
「主要5教科が3、残りの4教科が5」であれば、5教科はオール3なので偏差値はおよそ「45」と、9教科の評定の合計点が同じでも、受験の際の目安となる偏差値は大きく異なることになります。
※内申点オール3の偏差値について詳しくは下記をご確認ください。
「オール4」と「評定合計36点」は違う
このように、「評定合計が36点前後あること」と、「オール4であること」は同じではありません。副教科ばかりをがんばって評定合計を上げようとする人がいますが、それで合計36点になったとしても、主要5教科で評定平均が4以上でなければ偏差値は55に届いていません。志望校選びの際には、評定合計だけを見て安心せず、「主要5教科の成績」を見るよう注意しましょう。
内申点オール4でいける高校
ここでは9教科全ての教科が4だった場合の偏差値でいける高校を紹介します。
内申点オール4でいける都内の高校
男子 | 女子 | |
---|---|---|
チャレンジ領域 | 小山台・駒場・三田・小松川・竹早・城東・武蔵野北・調布北・小金井北・日野台 | 城東・調布北・小金井北・日野台・豊多摩・北園・町田・昭和・狛江 |
合格圏内 | 豊多摩・北園・目黒・町田・昭和・狛江 | 目黒・文京・上野・井草・石神井・南平・東大和南・小平・広尾・墨田川・神代・成瀬・清瀬 |
合格安全圏 | 文京・上野・井草・石神井・南平・東大和南・小平・墨田川・江戸川・広尾・神代・成瀬 | 江戸川・深川・豊島・田園調布・雪谷・調布南・小平南・上水 |
都内は全日制普通科を中心に、男子と女子で別々の募集枠を設定(男女別募集)している高校が多いです。このような高校では、男子と女子で若干の差が生まれ、同じ偏差値でも合格できる高校が変わってきます。一般的に、内申点の平均は女子のほうが高い傾向があるようです。
内申点オール4でいける愛知の高校
尾張地区 | 三河地区 | |
---|---|---|
チャレンジ領域 | 桜台・一宮西・西春・名東・旭野・江南・松蔭・名古屋南・春日井 | 岡崎北・刈谷北・西尾・豊橋東・国府・豊丘・岡崎西 |
合格圏内 | 昭和・横須賀・五条・名古屋西・一宮興道・天白・東海南・一宮南・高蔵寺・熱田・津島・春日井南 | 豊田北・知立東・安城東・豊橋南・豊田南・西尾東・安城・小坂井 |
合格安全圏 | 新川・小牧南・中村・大府・尾北・長久手・市立緑・木曽川・半田東・富田・日進西・丹羽・阿久比・市立北 | 成章・豊田東・豊田・知立・碧南・蒲郡東 |
都道府県によって内申点の算出方法が異なる
高校受験の際に内申書に記載される点数の算出方法は、都道府県によって異なります。
東京都の一般入試の場合は、中3時の9教科の成績が5段階で評価されます。その際、学力検査を実施しない実技教科の評定は2倍にして計算されています。
つまり、「主要5教科×5段階評定」+「実技4教科×5段階評定×2倍」=合計65点満点となります。
「芸術および体育に関する学科」の場合は、「国・数・英の3教科×5段階評定」+「それ以外の6教科×5段階評定×2倍」=合計75点満点です。
他の道府県では、中1・中2の成績も評価される場合や主要5教科を重く見る場合など、さまざまなケースがありますので、お住まいの地域における内申点の算出方法を早めに確認しておきましょう。
高校選びを迷った時
「今の内申点で志望校に合格できるだろうか」「内申点オール4で行ける高校はどこだろうか」と、不安や疑問を抱いている中3生もいることでしょう。そこで次に、これから受験まで、どのように考えて何をすればよいのかを確認しましょう。
内申点が低くて悩んでいる場合
内申点がたりないのではないかという不安は、多くの受験生が抱く気持ちかもしれませんが、内申点が確定する中3の11月(一部地域では中3の1月)までは、「悩む時間があったら努力しよう!」と考えるべきです。
授業態度、提出物、定期テスト、どれをとっても、まだまだやれることがたくさんあります。内申点が確定するまでは、1点でも多く内申点を獲得することに集中しましょう。
努力して内申点を1点上げることは、入試の5点に相当するとも言われます。志望校の内申点の算出方法を確認し、合格に向けて少しでも得点アップできるよう、努力あるのみです。
内申点が確定している場合
多くの中学校では中3の11月(一部地域では中3の1月)に内申点が確定します。確定してしまったあとは、今から変えようのないものを気にしてくよくよしても仕方がありません。
もし自分の希望する点数を下回っていたとしても、ここは切り替えが肝心です。内申点を参考にして志望校を決めたら、あとは入試当日に向けて、とにかく本番で点数を取れるよう精一杯勉強しましょう。確定する前と後での「切り替え」と、「今できることに集中する」意識が大切です。
今の自分よりも上を目指すべき理由
多くの人は、今の内申点を基準にして高校を選んでいることと思いますが、高校選びを迷う時は、「今の自分よりも上」の高校を目指すことをおすすめします。
まず、内申点が確定する11月までは「今が内申点アップのチャンス」ととらえて、とにかく内申点を上げるための努力をしましょう。内申点が確定するまでは、まだ努力次第でどんな高校にでも行けるチャンスがあります。今やれることを精一杯やりましょう。
内申点が確定したあとはある程度志望校が絞られてきますが、それでも、可能な範囲で上のレベルを目指して、入試当日まで努力を続けることが大切です。進学する高校の環境が、それによって異なってくるからです。
どんな生徒が集まるどんな雰囲気の学校なのか、高校ごとにそれぞれ異なります。上のレベルに行けば行くほど、勉強している友達に囲まれる環境に身を置けます。目指す大学の基準も高くなり、将来の就職や年収にまで影響する可能性があります。
中3の今、上のレベルを目指して自分を精一杯伸ばすことは、人生の岐路とも言える、非常に重要なことなのです。
内申点オール5を目指すための勉強方法
今の内申点がオール4程度の場合、もうひとがんばりしてオール5にできれば、さらに上のレベルの高校も視野に入ってきます。内申点オール5を目指すためには、どんな勉強をすればよいでしょうか。
応用問題を解く
主要5教科でオール4を取れる学力レベルであれば、基礎的な内容はすでに身についていると考えられます。オール5を目指すために必要なのは、応用力の強化です。
基礎的な問題を解いて満足するのではなく、応用問題までくり返し解きましょう。学校のワークはもちろん、準拠問題集、さらに余裕があれば市販の問題集も活用して、解けない問題がなくなるまで徹底して解いて応用力をつけることが、オール5への道です。
まとめ
今回は、内申点オール4の中3生向けに、内申点オール4の偏差値や高校の選び方の注意点についてお伝えしました。
不安な気持ちになりやすい受験期ですが、大切なのは「今できることに集中すること」と「あきらめずに上を目指して努力を続けること」です。今回お伝えした考え方ややるべきことをひとつひとつ確認しながら、焦らず弛まず努力を積み重ね、力を伸ばしていきましょう。
コメント