英語の比較級は、文法の中では一見難しくないように思えます。しかし、しっかりと使い分けができるかどうかと言われると、途端に自信がなくなり、苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか。
今回は、英語の比較級について、「英語の比較級の見分け方とは」「英語の比較級の作り方」「英語の比較級の訳し方」について、詳しく解説していきます。
比較級は、基本さえ押さえれば、場面によって適切に使い分けができます。苦手意識を持っているなら、この記事を読んで、上手に比較級を使いこなせるようになりましょう。
英語の比較級の見分け方とは
英語の比較級は、原級比較(同等比較)・比較級・最上級の3つに分けることができます。
・原級比較は同等比較 :「as~as」を使う
・比較級:「-er」または「more」と「than」を使う
・最上級:「the-est」または「most」を使う
・原級比較は同等比較
「主語(A)+動詞+as+形容詞/副詞+as~(B)」「主語(A)は(B)と同じぐらい…だ)
・比較級
「主語(A)+動詞+形容詞/副詞-er than ~(B)」「主語(A)は(B)よりも…だ)
・最上級
「主語+動詞+the 形容詞/副詞-est」「主語は最も(ほかのどれとも比べても)…だ」
このように、同じ比較級でも形によって意味が異なります。主語+動詞の後に何が使われているのかを見て、原級・比較級・最上級のどの比較級に当たるのか判断しましょう。
英語の基本の比較級
今回は、英語の基本的な比較級について、解説していきます。
こちらで紹介する比較級には、「-er」で表される比較以外に、程度の高さを表す「more」(AはBより~だ)を使う場合と、程度の低さを表す「less」(AはBほど~でない)があります。いずれも、主語Aと比べる対象Bの間に「than」を置き、AとBを比較します。
次の例文を見てみましょう。
(a)My brother is taller than my mother, but smaller than my father. (兄は母より背が高いが父より背が低い。)
(b)This sofa is more comfortable than that one. (このソファはあのソファよりも快適だ。)
例文(a)では、主語と動詞の後に「tall」「small」の比較級の「taller」「smaller」が使われています。
例文(b)では、主語と動詞の後に「more+comfortable」と、「more」と形容詞がそのまま使われています。
ポイントのおさらい
・原級比較「主語(A)+動詞+as+形容詞/副詞+as~(B)」「主語(A)は(B)と同じぐらい…だ」
・比較級「主語(A)+動詞+形容詞/副詞-er than(B)」「主語(A)+動詞+more/less+形容詞/副詞than(B)」「主語(A)は(B)よりも…だ」
・最上級「主語+動詞+the 形容詞/副詞-est」(主語は最も…だ)
英語の比較級の作り方
英語の基本的な比較級の作り方は次の通りです。
・主語+動詞+形容詞/副詞-er than ~
・主語+動詞+more+形容詞/副詞 than ~
-erを使った比較級
例:
tall-taller (高い-より高い)
small-smaller (小さい-より小さい)
short-shorter(短い-より短い)
このように、短い形容詞や副詞は、語尾に「-er」をつけます。
少し詳しい規則になりますが、1音節*(注)の形容詞や副詞以外にも、一部の2音節の形容詞や副詞(語尾が-y/-er/-le/owなど)が当てはまります。
また、短母音と子音で終わる語の場合は、語末の子音を重ねて「-er」をつけるので注意しましょう。
例:
big-bigger (大きい-より大きい)
hot-hotter (熱い・暑い-より熱い・より暑い)
*(注)音節:母音を中心にした音の区切り
moreを使った比較級
例:
difficult – more difficult (難しい-より難しい)
interesting – more interesting (おもしろい-よりおもしろい)
このように、基本的に2音節以上を使った長めの形容詞や副詞では、比較級を作るために、形容詞や副詞の前に「more」を使います。「more」を使った比較級の場合、語尾に「-er」はつけません。例えば、important、popular、famousなどがそれに値します。数も少ないので単語帳などを使って覚えてしまいましょう。
ポイントのおさらい
・主語+動詞+形容詞/副詞-er than ~
・主語+動詞;more 形容詞/副詞 than ~
・「-er」と「more」はどちらか1つを使い同時には使えない
・短めの形容詞や副詞は語尾に「-er」をつける
・基本的に2音節以上を使った長めの形容詞や副詞は前に「more」を使う
英語の比較級を訳すコツ
英語の比較級を訳す際は、まずは比較級なのか最上級なのか原級なのかを判断します。判断材料は、主語+動詞の後に続くのが何かです。続いて、何と何を比較しているのかを確認しましょう。「than」の後に続くものが「~より」の部分に当てはまるので、間違えないように気をつけましょう。
こちらでは、基本の比較級のみを扱います。
次の例文を見てみましょう。
(a) A dog runs faster than a cat. (犬は猫より速く走る。)
(b)Dogs are more friendly than cats. (犬は猫より人懐っこい。)
例文(a)では、名詞「a dog」(犬)が、「than」の後にある名詞「a cat」(猫)より、形容詞「fast」(速い)の比較級「faster」とわかります。
例文(b)では、名詞「dogs」(犬)が、「than」の後にある名詞「cats」(猫)より、形容詞「friendly」(人懐っこい)の比較級「more friendly」であるとわかります。
・A(主語)+動詞+形容詞/副詞-er than B
・A(主語)+動詞+more 形容詞/副詞 than B
このように、比較級は「-er」「more」のいずれを使っても、「AはBよりも…だ」と訳されると覚えておきましょう。比較する側か比較される側かの混乱を避けるためには、まず、主語(A)を訳すようにして、「Bより」の塊で約するようにするとよいでしょう。
ポイントのおさらい
・A(主語)+動詞+形容詞/副詞-er than Bも、A(主語)+動詞+more 形容詞/副詞 than Bも「A(主語)はBよりも…だ」と訳す
・主語から訳し始めると混乱しにくい
まとめ
今回は、「英語の比較級の見分け方とは」「英語の比較級の作り方」「英語の比較級の訳し方」についてご紹介しました。
苦手教科は、わからないところをそのままにしてしまうことで、さらに苦手意識が高まってしまいます。わからないところはそのまませず、ひとつひとつ理解していくことが大切です。家庭教師なら、自分のペースでわからないところが聞けるので、苦手意識がなくなります。
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